マーケティング

マーケティングオートメーションが本当に必要か判断するために必要なこと

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MA(マーケティング・オートメーション)が上手く使えない企業は多い。こんな話はもう5年以上されているのに、いまだに同じようなことが言われ続けているということは、MA導入がいまだに進化しておらず、売上・利益に貢献できていないことがよく分かる。今回は、何度も言い古されたことではあるが、再度マーケティング・オートメーションを活用するために必要な検討について考えていきたいと思う。

MA導入失敗の「あるある」

最初にハッキリと言ってしまうと、失敗する原因は『MAを導入してから活用方針を決める』ことにある。こんな話は何年も前からされていることであるが、いまだに「まず導入」してしまう企業が本当に多い。それが間違いなのだ(何度も言う)。「まず導入」してしまうと下記のような問題が起こる。

  • MAを導入前から活用内容は大体はイメージしていても、その効果がどの程度になるかを把握出来ていない。
  • 機能を使うタイミング場所が存在しない。
  • ベンダーのMAの使い方が自社に合わない。
  • コンテンツがない。費用がなくて継続的に作れない。何を作れば良いか分からない。
  • コンテンツを作れても、効果的なコンテンツを作ることが出来ない。
  • そもそも顧客を十分に理解出来ていなかったことに気づいた。

MA導入成功の「あるある」

こんなことも検討しないでマーケティング・オートメーションを導入する企業があるのか?と疑問に感じる人も多いだろう。しかし、まぎれもなくこれは事実である。まさに恥を晒す行為である。では、マーケティング・オートメーションを上手に活用し成果を上げる企業はどのような企業であろうか?私の経験上下記のようなことを十分に認識している企業であると考えられる。

  1. 具体的な事業課題が明確になっている。
  2. その課題を解決するための解決方針が定まっている。
  3. 解決方針を実現するために、MA機能の活用イメージが明確。
  4. 実際にテスト的に実施してみて効果測定を行う。
  5. 費用対効果を調べる。
  6. 本格導入

MAを本当に必要する企業はほとんど存在しない

マーケティング・オートメーションは、自社課題を明確にし解決方針を明らかにしておけば必然とマーケティング・オートメーションが適切なツールなのか分かるものだ。また、このような手順でマーケティング・オートメーションを導入する企業は、100社あったら98社はマーケティング・オートメーションの導入を見送る。なぜなら、マーケティング・オートメーションが事業課題を解決出来ないことが分かるからだ。マーケティング・オートメーションじゃなくて、例えば、営業力強化をした方が効果が高いことが分かるからだ。こんな本当のことは絶対にMAベンダーは言わない。しかし、実際にはMAが活用出来る企業は本当に一部の企業に限られる。

マーケティング・オートメーションの導入に失敗する会社というのは、そもそもの事業課題を正確に把握していない。課題と思っていることの殆どは表面的なものであって、本当の課題ではないことが多い。そのことに気づかずに施策を色々実施したりマーケティング・オートメーションなら出来るはずと根拠のない期待を持って導入しても何の効果も生み出さないのは当たり前である。

マーケティング・オートメーションはマーケティング担当者のためのツールである。マーケティング・オートメーションは顧客理解や事業課題をキチンと把握している企業や担当者でなければ活用は出来ないものだ。そのようなマーケティングの基本中の基本が分かっていない人や企業がマーケティング・オートメーションを活用しようとすることが既に間違いなのだ。

MAベンダーの低レベルな提案に騙されるな

最近は、MAベンダーがマーケティングとは何か?を説明することがあるようだ。しかし、MAベンダーにマーケティングについてちょっと説明を受けただけでマーケティングが出来るようになるわけがない。また、MAベンダーの「導入してみてPDCAを回すことで改善する」という言葉に騙されてはいけない。PDCAを回したことさえないのに成果が出るか分かるはずがないし、そもそもPDCAを回す箇所を間違ってしまっては何の成果も出ないのは当然であるが、そんなことさえ理解できない程、マーケティングもビジネスすらも分かっていないから失敗するのである。

MAベンダーに御社のビジネス課題やマーケティング課題が本当に分かるのか?そんなはずはない。日頃からマーケティング課題やビジネス課題を正面から向き合っていないから、ある日突然現れたMAベンダーが提案する表面的で薄っぺらく部分的なマーケティング課題を自社の本当の課題だと思い込んでしまうのだ。このようなMAベンダーの低レベルな提案にすら気づけない企業担当者の責任は非常に重い。

MAの前にマーケティングスキルを磨くべき

マーケティング・オートメーションに限らずツールを使いこなすためには、マーケティングの実践的な経験とスキルが絶対的に必要である。また、ビジネスセンスも絶対的に必要である。そのためには、何年も実践を繰り返す必要がある。MA導入よりも基本中の基本を磨くことを優先すべきである。そうすれば、マーケティング・オートメーションが自社に適切なツールなのか判断できる。その土台があって初めてマーケティング・オートメーションは活用できるのである。日本においてマーケティング・オートメーションが上手く活用出来ない理由は、そもそも日本にはマーケティングが出来る人がいない、ビジネスを理解出来ていない人が多いことが本質的な問題である。

マーケティング・オートメーション導入が失敗する企業は殆どは、マーケティング能力やスキル・ビジネス的スキルや能力が十分ではない。私の経験上、マーケティング・オートメーション導入の担当者がマーケティングを分かっているな~と感じたことは一度もない。ほとんどの場合がシステム部や営業支援の部署であり、マーケティング業務とはかけ離れた人たちである。もしくは、理解したつもりになっている人ばかりである。中にはマーケティングだけでなくシステムのことさえ全く理解出来ない人が担当者であることも多い。このような場合は、導入支援企業からさえ敬遠され、色んな会社が入れ替わり立ち代わり担当し、いつになっても上手くいかないという現象を生み出している。

いい加減MAが上手くいかない理由を知るべきである。マーケティング・オートメーションは、高度なマーケティングスキルを有している人がいない企業では導入の成否を判断できないばかりか、無駄な投資になる可能性はとてつもなく高いのである。

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